踊るひきこもり

からだとこころについての備忘録

動く楽しさとは?⑥

「姿勢バランスを崩す」

そもそも、私たち人間のからだには「バランス反応」という機能が備わっています。

不意にバランスを崩し倒れそうになったとき、頭や首・体幹・手足が咄嗟に動いて、からだを危険から防いでくれるのです。

例えば、突然後ろから背中を押されたとき、自分で「足や手を動かさなくては!」と意識しなくても、自然にどちらかの足が前に出たり、両腕を大きく広げて前方に転ばないようにしてますよね。これは、バランス反応が働いているおかげなんです。

 

普通に2本足でまっすぐ立っている姿を想像して下さい。バランスがとれている(重さの釣り合いがとれている)ので意識して動かなければ不動の状態です。

 重さの釣り合いがとれて安定している場合、そのバランスを崩すには、まず崩したい部分の力を抜いて、その部分の重さを感じとるようにします。
と同時に、別の部分に力をいれてからだを支えてあげます。

 

A 力を抜く(重さを感じる)→動きが生まれる  

B 力を入れる(重力に抗う力)→安定させる   

 

右腕を動かしたい場合

 A 右腕の力を抜いて右腕の重みを感じます

 B (主に)右足は膝を曲げ力を入れて支えます

そのまま重さを感じていると、自然に右腕に重力による動きが生まれてきます。

前後左右・回旋などの方向づけは、意識するだけで動きが変化します。

慣れない内は、最初に少しだけ力をいれて動きのきっかけを作って下さい。あとは惰性で動き出します。

 

左腕を動かしたい場合

 A 左腕の力を抜いて、左腕の重みを感じます

 B (主に)左足は膝を曲げ力を入れて支えます

 

このような動きを左右交互に繰り返します。体重移動をスムーズに行い、肩甲骨や骨盤、手足の動きも連動させていくと、だんだん踊っているような感じになっていきます。実際、民俗(族)舞踊などは、こういう自然な動きをヒントにしているものが多いのではないでしょうか。

 

 

バランスがとれている中で バランスを崩すこと

バランスが崩れている中で バランスをとること

動きとは この多重構造の連続である

                (野口三千三)