踊るひきこもり

からだとこころについての備忘録

エール

私は、健康や運動に携わる仕事をしている。自分の親と同世代の高齢者の方達を相手をすることが多いのだが、(こういう事は実際には口にはできないけれど)齢90歳を過ぎる方達にいつまでも元気に、いつまでも自分の足で歩けるようにと周りも本人も叱咤激励する今の風潮には疑問を感じずにはいられない。

肉体も精神も少しずつ朽ちていくのが自然の摂理なのに、なにがなんでも元気でいることが人生の最後の目標でいいのだろうか?祈るような気持でもっと穏やかに過ごすことはできないものなのだろうか?そんな葛藤を常に抱えているのだがさらに追い打ちをかけるようにたびたび「イラッ」としてしまうことがある。それは、高齢者の方達から父親との関係を「親」目線でたしなめられること。

お父さんにもっと会いに行ってあげないと。お父さんにもっと優しくしてあげないと。

いやいや、そういう親じゃないんですってば!親であるにも関わらず、子供はおろか孫やひ孫に対しても自分の都合でしか接することのできない愛情が欠損した人間がいることを多くの人は想像することもできない。

親は子供に愛情をもって接するのが当然。だからその親が高齢になった時、親の事をぞんざいに扱う子供はとんでもないのだ。ステレオタイプの高齢者の相手をしていると、自分はこういう人達のために働きたいわけではない!と何度も叫びそうになる。

 私は親世代(80)よりも子供世代(50)のからだの状態のほうが気になるのだ。それは私自身も含めた子供世代へのエールのような感情からくるのかもしれない。引きこもっていたっていいし、頑張って社会に出ていたっていい。どんな生活スタイルだったとしても日々気持ちよく健やかに生活していく努力は決してむだではないと思う。