騙さない 騙されない
私は、ある人に騙されたと思っている。
自分の大切なものを壊されたと思っている。
その人への怒りや憎しみの炎を、ずっと消え去ることができないでいる。
よりによって、その人との縁が自分の父親によって作られたという事実がつらい。
負の感情をずっと抱えている、そんな自分が嫌で嫌でしょうがなかった。
現状を変えたくても変えることができない、自分自身の無力さに苛まれていた。
気がつくと怒りの矛先がその人を通して自分自身にも向かっていた。
その人を許せないということは、自分自身も許せないということ。
騙すより騙された方がいいって、本当なのかな?
それは、自分で自分を守れなかった人間の負け惜しみのようにも思える。
いや、そう思うことで納得ができるのなら、それはとても平和的だけど。。。
自分の大切な人が被害にあった場合、本当に心からそう思えるものなのだろうか?
私には無理だった。
ではどうしたらいいの? 最近やっと辿り着いた私なりの答えがある。
「人を騙してはいけない、それ以上に人に騙されない努力をしなければならない」
他人にも自分にも、正当な怒りには逃げずに立ちむかいたい。
それが結果的には、捻れた怒りや恨みを生みださないことに繋がると思う。